連れ子・離婚・死別など多様な定住者ビザの類型

定住者の在留資格とは、非常に曖昧ではありますが、「個々人の事情に考慮して、日本への在留資格を認めるべきだ」という

個別判断になります。

 

一番多いパターンの定住者ビザは、日本人と結婚した外国人配偶者の連れ子のパターンです。

子が親と一緒の国で暮らせない理由はない、という人道的配慮が働いています。

しかしこの場合でも外国に実の父母がいる場合には、そちらと同居すべきだという論理もあることから、

詳細に申請理由の説明が必要になります。

意外に思われるかもしれませんが、日本のいかなる法律においても,定住者の在留資格について明確な定義づけがされておりません。

(入国管理法では定住者は「法務大臣が特別な理由を考慮して居住を認めるもの」と定義されますが、では具体的な例は

掲げられることはありません。)

定住者告示と呼ばれる告示に列挙されたパターン=告示定住者については、特別な理由があるものとして居住を認めることとなりますが、

あくまでも法定化されない概念となり不安定な裁量に委ねられることとなります。 

そして税務同様に、あくまでも法律とは言えない「通達(役所の内部規則)」により認められている定住者類型が存在します。

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日本人の実子の親権を有し、現に養育・監護している外国人の親(日本人と離婚した元配偶者、内縁の妻(夫)等)

 

「未成年かつ未婚の実子を扶養するため本邦在留を希望する外国人親については、

①その親子関係、②当該外国人が当該実子の親権者であること、③現に当該実

子を養育、監護していることが確認できれば、「定住者」(1年)への在留資

格の変更を許可する。

なお、日本人の実子とは、嫡出、非嫡出を問わず、子の出生時点においてその

父または母が日本国籍を有しているものをいう。

実子の日本国籍の有無は問わないが、日本人父から認知されていることが必要

である。」

 

原則として申請人の収入によって家族の生計を成り立たせるという独立生計要件

が必要となっています。

ただし、離婚直後で無職であったり場合によっては生活保護を受けている場合

でも、無職や生活保護受給という事実をもって直ちに不許可となるわけではなく、

本人が仕事を探そうとしていることをアピールしての申請が可能です。

 

無職であり労働の意思が全くない場合には、たとえ元夫からの養育費や子の親

族からの金銭的援助があり暮らしが成り立つ場合でも、許可は難しくなります。

日本人(または永住者)と離婚・死別したが日本で暮らし続けたい場合(離婚後定住・死別定住)

 日本人と離婚・死別し、日本に生活の基盤があり、独立して生計を維

持することができ、公的義務を履行している場合には、定住者ビザを許可され

る可能性があります。離婚後定住などと呼ばれます。

婚姻期間は日本人配偶者等の永住権申請との整合性から同居3年が必要と考えられます。

 

永住者と離婚・死別した場合も、日本に生活の基盤があり、独立して生計を維

持することができ、公的義務を履行している場合には、定住者ビザを許可される可能性があります。 

日本人、定住者、あるいはこれらの者の配偶者の扶養を受ける未成年で未婚の実子

 

冒頭に記載した通り、連れ子で本国に実親がいる場合には何故実の親に育てら

れるのではなく、日本で生活する必要があるのかを説明する必要があります。

 

連れ子と扶養者の関係性、連れ子と扶養者の金銭面での関係(これまでも金銭

的に援助をしてきた事実)、入国後の連れ子の扶養計画の内容が問われますの

で、例えば過去の写真や送金の記録などの立証資料を用意することとなります。

 

日本人、一定の外国人の扶養を受ける6歳未満の養子

日本人が6歳未満の外国人を普通養子にする場合、定住者告示により在留資格

「定住者」に該当します。

「一定の外国人」とは、永住者、1年以上の在留期間を有する定住者、特別永

住者のことを言う。

  

インドネシア・ミャンマー等からの難民

日系2世、3世

定住者の配偶者・子は定住者の在留資格となります

定住者の配偶者・子は定住者の在留資格を取得可能です。

 

定住者告示5号・6号では次の場合について定住者に該当すると定められています。

5号

イ 日系2世である「日本人の配偶者等」ビザを持っている者の配偶者

ロ 日系2世、3世以外の「定住者」で在留期間が1年以上である者の配偶者

ハ 日系2世、3世である「定住者」で在留期間が1年以上である者の配偶者

 

6号

以下に当てはまる者の扶養を受けて生活する、未成年で未婚の実子

・日本人

・永住者

・特別永住者

・1年以上の在留期間を指定されている「定住者」

・日本人配偶者等の在留資格を持つ者

・永住者の配偶者等の在留資格を持つ者

 

※日本人、永住者の配偶者については、「日本人の配偶者等」ビザ、「永住者の配偶者等」ビザを持っている場合に限り、

配偶者のみの実子についても上陸が認められます。

 

 

※日系人の配偶者・実子は「素行善良要件」を満たす必要があります。無犯罪証明書を取得して申請をします。

 

定住者(連れ子)の在留資格について(不交付の場合の再申請の方針)

 

Q以下の理由でいったん認定不交付になりました。

 どうすればよいでしょうか?

前提:夫日本人65歳 妻中国人35歳 連れ子15歳(中国での前夫との子)養子縁組済み。

   今までは中国の祖父母が扶養

 

入国管理局の指摘:今までの扶養状況が不明である。前夫と同居していたのではないのか。

  あえて日本に呼び寄せ母子同居させないといけない道義的な必要性が証明できていない。

 

A 年齢差のある夫婦のため日本人配偶者等ビザ同様の疎明資料は必要になります。

 

  母側の扶養を証明する資料として、送金書類、離婚調停における親権の分かる書類、

  母子のやり取りしている写真・メール・SNS等、

  祖父母と同居していたことがわかる公的書類が提出できるとよいでしょう。

 

  また、祖父母が扶養しなくなる理由として祖父母側の健康問題や

  経済的事情はないでしょうか。

 

  さらに、15歳の日本語の出来ないであろう子供が来日してどのように通学・教育

  を受けるのか、将来の進路をどう考えているのか計画の説明が必要となります。  

 

日本人の養子になり定住者ビザや日本人配偶者等ビザになることの可否

 

Q現在28歳で留学ビザで滞在していますが、

 すが近所に住む高齢の日本人女性と懇意にしており、

 互いの生活の面倒を見あう仲になり養子縁組を考えています。

 養子縁組した後は定住者または日本人配偶者等の在留資格に変更可能でしょうか。

 

A20歳以上のためかなり厳しいと言わざるを得ません。

 ビザ目的以外の面での必要性の証明が困難であるように感じられます。

 未成年であっても年齢が高い程判断は厳しくなります。